哲学的な視点

たとえば、一番基本的なRSIの使い方は、30%を上抜いたら買い、70%を下抜いたら売りです。しかし、長期の下げトレンドとなった場合に、RSIではちょっと戻したところをことごとく買ってしまい、大きな損失を重ねることになります。逆行現象でもだめです。本当に勢いのある相場は逆行現象などものともせずに突き進むものです。

一方、移動平均の場合には、大相場に素直に飛び乗ることができます。しかしながら、相場がレンジないでいったりきたりすると、小さな損失を数多く重ねることになります。

哲学的に見ると、移動平均のほうがはるかに優れています。なぜかというと、移動平均におけるダマシはどれも小さなものばかりで、使用者には考える余裕があるからです。

「移動平均はRSIよりもはるかに屈強である」と私が言うのは、哲学的に優れていることを意味しているのです。

計算期間の調整はシステムの屈強さを本質的に向上させるものではありません。200日RSIであろうが、本当に強い相場が発生すれば、やはり吹っ飛ばされます。RSIはそのまま使うと非常に脆弱です。屈強な使用法は、計算期間を通常使用でレンジ相場に最適な期間の倍に設定し、60%を上抜いたら買い、40%を下抜いたら売り、という逆使用です。通常使用の14日RSIがレンジ相場で良い成績を収めているのならば、28日RSIを逆使用が良いでしょう。14日RSIが機能麻痺し、凡庸な投機家たちがパニックを起こすころに、28日RSIは40%から60%の範囲を抜けているでしょう。

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