システムの種類
システムの新分類
逆張り・順張りという区分は今一つ不適切だと思ってきました。というのも、結局のところ高いところで売り、安いところで飼わなければ儲からないわけですから、どのようなシステムもより大きなサイクルに対しては逆張りであるわけです。
しかし、すべてのシステムを2つの種類に分けることができると思います。それが、狭域系と広域系です。
たとえば、移動へ金の単純クロスオーヴァーや、ゴールデンクロス・デッドクロスを用いるやり方は、広域系です。相場のパターンがどうであれ、大相場になれば、漏れなく反応します。このようなシステムでは、回数で計算する勝率はあまり問題ではありません。利益の幅で計算する確率さえある程度のところまで持っていくことができれば、勝率は20%でもかまわないのです。
移動平均単純クロスオーヴァーは広域系のシステムです。たとえば、100万円を持っていて、1枚パラジウムを買って2000年1月〜2月の間システムに忠実に従っていたならば、資金額は200万円を突破しているはずです。ここ一番で確実に儲かることができれば、日頃少々損失を重ねたとしてもまるで問題ではありません。
オシレータ系は一般的には狭域系です。ある限定されたパターンが生じないと、仕掛けることなく、大相場をそっくりそのまま逃してしまいます。使い方を工夫すれば、すべてを失うことはないかもしれませんが、広域系のシステムで莫大な利益が出ている時には指をくわえてみているしかなくなります。
狭域系のシステム構築に当たっては、勝負どころは勝率です。もともとすべての機会をつかむことができるわけではないので、つかんだ機会については相当高い勝率を上げる必要があります。狭域系のシステムで勝率や確率が7割いっても、それはぜんぜんたいしたことはないのです。
あらゆるシステムに共通して注意すべきこと
限月間の大きい銘柄については、先限つなぎ足を使用してはなりません。納会日を迎えると計算に誤差が入り込み、しかも、その誤差は必ず不利な方向の誤差なのです。
たとえば、期近が期先よりはるかに高い銘柄では、買い方が有利です。しかし、先限つなぎ足を使っていて納会日を通過すると、相場が下げてしまっているような錯覚を生みます。ストキャスティクスあたりを使用していれば、ここで頻繁に売りシグナルが発生してしまうのです。1年に6回納会日がある銘柄では、1年に6回必ず不利な誤差が生じていることになるのです。
さやをうまく織り込むことができなければ、期先に対して仕掛けるのは控えましょう。上場後2ヶ月は経ち、データがそろった銘柄に対して仕掛けるほうが勝率は確実に上昇します。
複数のシステムの組み合わせ
狭域系と広域系にそれぞれ別の運用枠を与えることをおすすめします。
積極的な運用を行う場合には、資金の10%を広域系に、20%を狭域系に充てるくらいがよいでしょう。
広域系のシステムには、常に少な目の割り当てにしておくことです。ダマシの連続が終わりを迎えるまでに資金力が緩慢な消滅の憂き目に遭ってはなりません。
広域系のみでの運用はお勧めしません。
狭域系のみの運用というのは考えられなくもないのです。ただし、1種類の狭域系だと、機会をほとんど逃してしまいます。複数の狭域系に分散して運用し、それぞれのシステムでシグナル発生条件を厳しく絞り込んでおきましょう。
たとえば、Linda Bradford RaschkeのタートルスープとADXギャッパーはどちらも勝率の高い狭域系のシステムです。このようなシステムに資金を分散運用すれば、空振りは減るのです。
システム売買の観点から見たさまざまな指標
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