Weekly Overitsa 2000.04.03

3月決算終了

これで、しばらく円高になってもまあよしとしようということだろう。

IT

日本はまず最初の敷居を超える必要がある――安価なインターネット常時接続。

国土の狭い日本であるから、NTTにはまだまだコスト削減の余地がある。

リストラ

進めば進むほど円高要因。企業は製品の価格を下げることを強いられるのだから。

自民・自由・公明、連立解消

直接円安・円高要因ではないが、ドル円の変動性を拡大するだろう。

今の若いモンは……

今の若いモン

国旗国歌の法制化の背後に流れているのが、今の若いモンは……≠ニいう現在の政治指導者層の思いであろう。しかし、たとえば君が代を歌わせたとしても、今の若いモン≠ヘより上の世代に似てくるなんてことはない。

今の若いモン≠ヘこれからの時代に対応できる適応力をちゃんと身につけ始めていると思う。本能は生存を強いるものだからである。これからの時代のことは今の若いモン≠フ直観に任せるほうがいい。

次の世代に伝えるべきもの――技術

鬼に持たせる金棒の話をしよう。

はるか昔のガリア地方(現在のフランスあたり)では、葦を織って戦車を作っていたらしい。しかし、後にこの葦の戦車を作る技術が失われ、ローマ帝国の支配に屈することになったと、ある歴史家は語っている。技術が失われることによって、1つの文明が滅ぶこともある。

ライト兄弟が考案した飛行方法は実に13通りもあったが、現在使われているのはその中の2つである。残りの11はそのうち歴史に埋もれて失われるだろう。ライト兄弟もそのことを嘆いていたことがあるらしい。このように使われなくなって失われる技術というものも結構あるはず。

ダットンが書いた航海術の手引書を読めば、彼が雇っていた料理人たちすら簡単に航海ができるようになったそうだ。最初、彼の手引書は20ページほどであったらしい。しかし、現在、『ダットン』は非常に分厚い。内容は元の100倍にも膨らんでいる。他人が無駄なデータが付け加えられていったからだ。当然、最初に書かれた『ダットン』の素晴らしさは完全に失われているといえる。

EQが話題になることがある。しかし、EQ信奉者たちは、具体的な問題――EQ不足――を解決するための具体的な方法を提唱していないという点では、かつてのIQ信奉者たちと同じである。しかし、EQを向上させる方法はかつて発見されている。儒学である。そこにはEQを高める具体的な手法が網羅されているのだ。しかし、現在の環境に合わせて、儒学を翻訳≠キる努力が不十分であるために、多くの人は既に存在する答えを見失っている。

失われつつある熟練工の技術は葦の戦車′^の技術である。文明を支える技術の継承者が何らかのかたちで冷遇されると、技術は失われ、文明が揺らぐ。

チャシュア博士らのネメシス療法などは、飛行方法′^の技術で、様々な理由から歴史に埋もれて失われる危険にさらされている。現実に成果を上げてきたそれらの治療法があまり注目されず、むしろ効果が未知数の遺伝子治療が脚光を浴びているのは忌々しき事態である。

育児を含め、教育全般はダットン′^の技術劣化に苦しんでいる。

業績が上がらないからといって、すぐにリストラを行ったり外国人経営者に白紙委任するのは間違いである。戦後の焼け野原から復興した日本には、必ずや素晴らしい儒学′^の記述がどこかに眠っているはずなのだ。

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